SAFETY DATA · READ THE DENOMINATOR
自動運転の事故件数だけで、安全性を比べてはいけない理由
事故件数の多さだけでは危険度を比較できません。報告対象、走行距離、運行場所、集計期間が違うためです。まず資料が何を数え、何を数えていないかを確認します。
COMPARE THE MEANING
数字を見る前に、何を数えたかをそろえる
同じ「事故」という言葉でも、資料の範囲が違えば比較できません。
| 確認する項目 | 資料に書かれた値 | 揃える条件 | まだ分からないこと |
|---|---|---|---|
| 比較したい数字 | 事故件数・負傷・物損など、資料が実際に数えたもの | 同じ報告対象・同じ期間・同じ定義か | 件数だけでは重大度や発生条件は分からない |
| 必要な分母 | 走行距離、運行時間、車両数など | 同じ分母が公開されているか | 分母がない資料同士の率は計算できない |
| 揃える条件 | 無人/有人、道路、天候、地域、ODD | 比較する運行条件が近いか | 条件が違う率から優劣は確定できない |
| 分からないこと | 未報告・重複・訂正・集計対象外 | 更新日と欠損・除外の説明があるか | 公開値にない安全性を推測しない |
REPORTING SCOPE
ADSとLevel 2 ADASは、同じ事故表に混ぜない
NHTSAのStanding General Orderは、自動運転システム(ADS)とLevel 2運転支援(ADAS)の一定の事故報告を対象にします。対象システムや報告条件が異なるため、同じデータ終期にそろえても「事故報告」の数字を横並びにはできません。Level 2の事故を自動運転の無人運行の実績へ読み替えず、資料に書かれた区分のまま比較します。
訂正・重複も確認:初期報告の後に訂正や重複整理が入ることがあります。掲載図表のデータ終期(2026-08-17)と、この記事の確認日(2026-09-22)を分けて読み、更新履歴がない数字は「最新の確定値」と断定しません。
HYPOTHETICAL EXAMPLE
仮想例:件数と率は別の読み方になる
Aが10件/100万km、Bが20件/1,000万kmだった場合、単純な件数はBが多くても、距離あたりの値はAが10、Bが2です。ただし、これは計算方法を示す仮想例です。ODD、事故の定義、重大度、報告の完全性が揃わない限り、安全性の順位は決められません。
実在の企業・サービスの実績ではありません。BEFORE YOU COMPARE
安全報告を読む5つの問い
- 01データはいつからいつまでを集計し、掲載図表の終期は確認できるか
- 02ADS・Level 2 ADAS・有人試験・無人運行のどれを対象にしているか
- 03事故・負傷・物損の定義と、対象外にした事象は何か
- 04訂正・重複・未確認の報告を、誰がどの時点で整理したか
- 05走行距離などの分母、地域、道路、天候、速度条件は比較先と揃っているか
NEXT CHECK
乗る前の実務判断は、サービスの公式条件で確認
安全報告は、特定の都市で今日乗れるか、料金、対象者、緊急時の窓口を保証するものではありません。候補を選んだら、運行区域・受付状態・乗車条件をサービスごとに確認します。
PRIMARY SOURCES
根拠を開いて確認する
当事者の分析は当事者の対象範囲として読み、政府資料と同じ意味には広げません。